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2018.03.29 REVIEW

【新発売】GENEVAのブルートゥース・スピーカー『Touring XS』『Touring M』をレビューしてみました

今回は実に7年の歳月を経て、全く新しくなったGENEVAのニューモデルTouringシリーズ」
その中の『Touring XS』と『Touring M』についてレビューしてみたいと思います。

 

 

 

Classicシリーズ

2011年、機械というより家具寄りに振りきったHi-Fiオーディオとして、日本で鮮烈なデビューを果たしたGENEVA

スイスの精密機械の精巧で緻密なモノづくり文化をオーディオに注ぎ込み、スカンジナビアンデザインの暖かい北欧家具のような佇まいで一気に人気を博したのは、リーマンショックによる世界経済危機のシコリがくすぶっていた頃。

そんな世界が停滞していた中、そのダイナミックでインパクトのあるデザインと、それ以上に豊かでレンジの広い繊細な高音質にみんなが驚かされた。

さらに驚愕なのがその製作工程。まず本体キャビネットは、家具専門工場で木工職人と塗装職人による幾他の工程による技巧を凝らし、表面加工に至ってはUVコートを含めて8層にも塗り重ねるこだわりよう。

そうして作られた本体キャビネットを、トランジスタなどのデジタル部品とアッセンブリーして製作する、オーディオとしては実に贅沢なモノ作りのあり方。

プロダクトそのものにかける妥協のないクオリティーは、当然認められるよね。

たちまち世界中に多くのファンを創設し、今なお愛され続けているGENEVAのクラッシックプロダクト。その反面、賞賛されるからこそ抜け出せない呪縛がある。勝者にしかわからない苦しみが。

前が良すぎると、何を提案しても受け入れてもらえないんですよね。昔の彼女は良かったって、どうしたって比べてしまうというやつね。

GENEVAの創設者のヤン・エリックもニュープロダクトの開発には相当苦悩したって言っていましたからね。

 

 

ニューモデル

今回、そんなGENEVAが7年の年月を経て、ついにニューモデルをリリースしてきた。

一体どんな製品なのか?

2年前、期待とドキドキのなか初めてスイスのラボで見たニュープロダクトのサンプルは、私の予想が完全に裏切られたのを鮮明に覚えています。

それは、それまでのGENEVAとは全く真逆のデザイン。

 

曲線を多用していたデザインは直線を基調とし、柔らかさを感じた外観は精悍に、家具っぽい外観は精密機械のように工業製品っぽく、鮮やかなカラーはマット調にと、それはそれは枚挙にいとまがないほど変わった。いい意味で変わった。

Touringシリーズは、最小のBluetoothスピーカーのXSXSのラジオ付きがS、サイズアップのBluetoothスピーカーがMMのラジオ付きがLと4種類ラインナップされています。今回日本でリリースされるのはこのうちXSMの2種類。どちらもラジオのないモデル。

小さくてメカメカしい、LEICA M3を思い出させるデザインのTouring XS。そして、ちょっと無骨で無機質で、どこか80年代のラジカセを彷彿させるデザインのTouring Mは十分に男心をくすぐりますね。

 

 

Touring XS

それではXSからレビューしていきましょう。

 

【 デザイン 】

最初に感じるのはそのサイズ感。小さいのは小さいけど、何ていうか丁度いい小ささというか、片手で持って丁度いいサイズ。

 

これくらいだと、どこに持っていくにもノンストレス。バーベキューやアウトドアにも最適なサイズです。

そして、アルミの削り出しとエコレザー(合皮)のコンビネーションは、これ以上削ぎ落としようがないミニマムなデザインと、美しいシルエットを浮き立たせています。

 

【 操作 】

スイッチとボリュームを調整するための、大きなアルミ削り出しのダイヤルが一つあるだけ。

あとはBluetoothの接続を確認するためのLEDが1箇所。

背面には充電用の端子と、3.5mmステレオミニプラグ用の入力端子がそれぞれ一つ。

そしてBluetoothのリセットボタンが一つ。

以上。

全く潔いというか、必要最低限のものしか付いていない簡潔さは、日々複雑になっていく電子デバイスの傾向に反して純粋に嬉しいところ。

これだと、説明書は見なくてもすぐに使えて、シンプルこの上ないです。

 

【 音質 】

音質に関してはメーカが公言する「クラス最高の音質」って、おいおい盛ってないか?と思っていましたが、音を聴くとあながち嘘じゃないかも。

このサイズでこれほどパワフルな音は、ちょっと想像できませんね。

実際初めて音を聴いた人(バイヤーさんたち)は、例外なくみんな驚いていたからね。

この音だったら、車にわざわざたっかいスピーカーシステムなんか組まなくてもこれで十分いいじゃんって感じ。しかも持ち運べるし。

ちょうどBOSEのサウンドリンク・ミニっていう似たサイズのスピーカーが断然一番人気だったけど、どうやら去年の年末に終売になったみたい。

私的には、それと比べても迫力も全く遜色ないですね。音質的にはこっちの方が上質だと思いますしね。

何でそんなに迫力があるのかっていうと、その秘密は背面にあるパッシブラジエーター。

 

ダウンサイジングしたことで、従来のウーファーユニットのバスレフ型は難しく、その代わりに前面のドライバーの後ろに出る音圧で、背面のダイヤフラムを振動させて低音を出す、パッシブラジエーターを採用したおかげ。

また、パッシブラジエーターはレゾナンス(共鳴)が生じないといので、締りがってボワつかない低音が魅力です。

見てても面白いんだけど、このパッシブラジエーターが振動して低音を出すのがよくわかります。

 

 

【 充電 】

1回のフル充電で、20時間連続再生可能なバッテリーを搭載しているから、バッテリー切れの心配でヒヤヒヤしないのもいいですね。

 

 

【 総評 】

クラス最高の音質を謳って登場したTouring XSは、とっても小さくてシンプルなのに迫力満点のポータブルスピーカー。

どんなシチュエーションにも合う癖のないデザインは、長く愛することのできるプロダクトの絶対条件。

その上、老若男女誰でも簡単に扱うことのできる操作性は、スピーカーがより身近になるための重要なファクター。

それらすべてを兼ね備えたTouring XSは、最も使いやすい普段使いのHi-Fiポータブルスピーカーとして、自信を持っておすすめできる一台です。

 

Touring XSは4月上旬の発売予定ですので、今しばらくお待ちください。

 

 

 

 

Touring M

続いてTouring Mのレビュー。


 

【 デザイン 】

デザインは、簡単にいうとXSが大きくなっただけ。

その代わり上部にアルミの取手がついたことが大きな違い。

充電タイプのポータブルスピーカーには違いないのですが、とてもポータブルとは思えない、しっかりとした音を鳴らすのにびっくりです。落ち着きのある懐の大きな音質に、なんだか気持ちにゆとりが生まれるスピーカーですね。

 

【 操作 】

操作はXSと全く同じ。

TOPは、アルミ削り出しの大型ダイヤルで、スイッチとボリュームを調整するだけ。あとBluetoothと接続確認用のLEDが1ヶ所。

 

背面には、充電用の端子と3.5mmステレオミニプラグ用の入力端子がそれぞれ一つずつ。

そしてBluetoothのリセットボタンが一つ。

説明書など見なくても、誰でも箱から出してすぐ使用できるのは海外製品としてはありがたいです。

 

【 音質】

このTouring Mの音質は、XSに比べて音の粒が小さいところです。より緻密でダイナミックレンジの広さが感じられます。

これはドライバの違いだけではなく、やはりボディの大きさが関係していると思います。また背面にはバスレフ型のウーファーが備わっているので低音も重厚でしっかりとした迫力のサウンドを響かせます。

 

【 充電】

1回のフル充電で、30時間連続再生可能なバッテリーを搭載しているから、安心して音楽を楽しむことができます。

 

【 総評】

Touring XSが素晴らしいだけに、これを超えれるのか?、と心配していましたが完全に老婆心でした。

というのも、やはりスピーカー本来の持つ体積と、音質の物理的な関係性は普遍で、音とは空気を振動させて伝達するモノ、ということを再認識させられたというか、包み込むような音の広がりさと上質さで言えば、やはり1枚も2枚も上手でした。『Touring XS』がシープスキンの革ジャンなら、『Touring M』はカシミアのコートって感じって言えば伝わるでしょうか。

 

「大は小を兼ねる」音とはそういうモノです。

それに音の粒がきめ細かいというのは、聴いていて耳に優しいということ。

だから、リラックスしてゆったりと音楽を聴く時などは、大きなスピーカーで聴く方が疲れないのです。

ゆっくりとくつろぎながらの音楽鑑賞にはTouring Mは最適です。大人の余裕が感じられる1台ですね。

 

 

 

 

まとめ

まだまだ景気回復の実感がわかないし、モノは溢れかえって競争激化のオーディオ業界。

どんなにイケてるメーカーでも、売れ線のデザインに、ペラペラのプラスチックでチープ感満載のお手軽プライスに偏っていく中、GENEVAのように愚直なほどブレないオーディオ・メーカーも存在して、私はそんなブレない彼らの頑固さに共感するんですよね。

なんせGENEVAのサウンドエンジニア達は、ハリウッド映画でサウンド部門のアカデミー賞を、4度も受賞するという快挙を成し遂げてきた強者たちなのです。

やはり妥協を許さない本物だけが持つ佇まい、そしてGENEVAのサウンドエンジニアリングにロマンを感じますね。

要は熟成されていない、道半ば的な挑戦者の姿勢が好きなんですよ。

この辺は、どうやったってそのモノに宿る空気感が、ドメスティックのそれとは全然違いますから。

デザインとリスニング、機能としてのオーディオを超越した、更にその向こう側を探求する姿勢。

やっぱり私は、そんな彼らの雰囲気のあるプロダクトが大好きなんです。

 

だから、私もTouring XSのブラックを買いましたよ。男のブラック一択で。

このブラックとシルバーの配色。これでもかっていうほど世に溢れている配色だけど、やっぱり落ち着くんですよね。

年取るとついついシルバーの車を買ってしまうというアレですかね。

折角なので早速持ち出してみようかと。
まだ花見に間に合うかな。

 

ぶん / Noboru

 

 

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