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2021.05.07 REVIEW

チボリオーディオ| MODEL ONE DIGITAL Generation2 レビュー

チボリオーディオ史上最も先進的でモダンなテーブルラジオスピーカー。その素顔に迫る。

2021年2月、Tivoli Audio(チボリオーディオ)の次世代ワイヤレススピーカーのARTシリーズから、MODEL ONE DIGITAL Generation2(モデルワンデジタル・ジェネレーション2)がリリースされました。

チボリオーディオの中でもModel Oneの称号を冠するモデルには特別の意味があります。それは、チボリオーディオ 創業者のヘンリークロス博士が、40年以上にわたり培ってきたノウハウを惜しみなく注いだ集大成のプロダクトに命名したネーミングなのです。その名を受け継いだのがMODEL ONE DIGITAL/モデルワンデジタル。そして、その進化版がこのジェネレーション2(以下、Gen2とします)です。

Model Oneは、クラシックシリーズのアナログ・ラジオ・スピーカーとして2000年に登場し、その後Bluetooth機能が備わってModel One BTと改名。今ではチボリオーディオ の代名詞となっています。一方、時代はWi-Fiを用いたストリーミング音楽配信サービスが当たり前となり、それに合わせてWi-Fi接続を主導していくのがARTシリーズ。そしてその代表的プロダクトがMODEL ONE DIGITAL/モデルワンデジタルです。

チボリオーディオ が、Model One BTをMODEL ONE DIGITAL/モデルワンデジタルに完全移行せず、現在でも両方併売しているのは、ヘンリークロス博士へのリスペクトと、世界中のModel One BTのファンを大切にしているからで、新旧両方の製品をうまく区別してブランディングしているところは立派ですね。だってデジタル全盛の現代では、歴史やルーツを持つブランド自体が少ないのでチボリオーディオのようなブランドは希少なんです。

 

独特のビジョンをもった次世代スピーカー、機能もさらに充実

さて、今回レビューするモデルワンデジタルGen2ですが、特筆すべきは旧モデルのウィークポイントを全て改善してきたこと。

具体的には、Wi-Fi接続をコントロールするための独自アプリの廃止。
この独自アプリ、スマホのOSがアップデートする度に対応が遅れてバグることが多く、ストレスを感じていた人も多いと思います。私も何度か一時的に使えなくなり、いつからかBluetoothで音楽を聴くことが多くなりました。

幸いBluetoothでもWi-Fiと遜色ない音質だったのがせめてもの救いでしたが。

今回のGen2では独自アプリの代わりに、Apple Airplay2とGoogle Chromecastを搭載したことで劇的にWi-Fi操作が簡単になりました。その使い勝手と言ったら、もうBluetoothと同じくらい、いや、それ以上にWi-Fi接続が簡単。これまで様々なオーディオに触れてきましたが、生まれて初めてWi-Fiが便利だと感じましたね。

 

Wi-Fi接続の手順は次の通り。(既に一度Wi-Fi設定を済ませている状態での操作)1.本体のスイッチON
2.Wi-Fiを選択 
3. Wi-Fiを探し始め……
3. Wi-Fi接続完了(ここまで30秒くらい)

4.スマホでSpotifyやAirPlay2を立ち上げると、画面内にモデルワンデジタルGen2(写真上は『M1D_事務所』と名称変更)が表示されます。5. タップすると再生スタート!(再生まで約45秒くらい)

※液晶画面上で「??????」と表示されているのは、文字情報が日本語であったりカタカナの場合はこのように表示されてしまいます。英語の場合はそのまま正確に表示されます。

とこんな具合で、最初に一度Wi-Fiの設定をしてしまえば、その後は上記のようにアプリを立ち上げることなく、ストリーミングサービスを選べばオートマチックにストリーミングできてしまうというわけ。

ただ、商品を箱から開封して最初にWi-Fi接続をしておかないと、システムに内蔵されているGoogleホームのチップが一定時間Wi-Fi環境下にいないと判断した場合、接続可能なWi-Fiを自動的に探しに行くようになっているため、Bluetoothやラジオの視聴が途切れることがあるので、開封したら電源を入れて先ずはWi-Fi接続設定をしなければならないことをお忘れなく。※次回のファームウェアのアップデートでこの現象は解消されるそうです。

一度この快適さを覚えるともうBluetoothを使わなくなるかも。Wi-Fiだと多少距離が離れても音切れがないので、スマホを持って場所を移動できるのが便利ですからね。

 

絶妙なサイズ感

ブックシェルフ型のテーブルライジオスピーカーのマスターピースとして、20年間その座を守り続けてきたModel One BTとほぼ同サイズのモデルワンデジタルGen2は、リビングのサイドボードや書斎の本棚やベッドサイドでも違和感なくその場に溶け込むステルス的な自然さを持つラジオスピーカーですが、その理由は素材やシンプルなデザインだけではなく、実は絶妙なサイズがポイントです。片手で持てるギリギリのサイズだから、雑貨や花瓶にオブジェなど様々なモノと合わせやすく、インテリアのアイテムとしてとてもバランスが良いので置く場所を選びません。

インテリアとして、そして高音質スピーカーとして必要な大きさから導き出されたちょうどいいサイズ感は、お店で見るよりも実際に家で使う時に、その絶妙さに思わず唸ってしまうほど。

 

心地よくさせてくれるクラスを越えの重低音


背面下部に設置されたバスレフポート

 

「大は小を兼ねる」高音質Hi-Fiスピーカーの世界では正しい概念ですが、一方で「山椒は小粒でもぴりりと辛い」もまた真実。デジタル技術の進歩で小さな筐体から素晴らしい音質を放つスピーカーは確かに存在します。

モデルワンデジタルGen2も紛れもなくそのひとつ。

ヘンリークロス博士が長年研究を続けて拘ってきたバスレフ方式を踏襲した本機は、機械的な処理をせずしてこのサイズからこれほどまでの深みを感じる重低音を発することに改めて感心しましたね。

音質の相性では、DTMより生音の方が合うように感じます。

世界で初めて米3M社の32トラックでデジタル録音されたドナルド・フェイゲンの「The Nightfly」を聞くと、アナログとデジタルのハイブリッド感がモデルワンデジタルGen2と重なりますが、シンセサイザーやギター、サックス、ベース、ドラムなどそれぞれ楽器の音をハッキリと拾っていて、ボーカルやコーラスの声の透明感もよく再現できているところはさすがですね。

このアルバムとにかくクールで、夜中に灯を消していつまでも聴いていたくなるようなサウンドなんですが、こんなにも気持ち良くさせてくれるのもローエンドがしっかり効いている証拠。バスレフ効果のおかげです。ついついテンションが上がっちゃいますね。

 

 

家具と見紛うオーディオ

前回ミュージックシステムBTをレビューしましたが、その時同様このモデルワンデジタルGen2も、第一世代と外観のデザインは殆ど見分けがつきません。

機能を集中させた特徴的なアルミ製円形ベゼルがアイコニックなデザインとなっていて、スピーカーグリルにはハーマンミラーなど世界中の家具メーカーにも採用されているデンマークの老舗ファブリックメーカー「Gabriel社」の生地を採用。

この天然ウォールナットの筐体とシンプルなデザインから北欧のブランドだと思われがちですが、チボリオーディオ は紛れもなくアメリカの代表的オーディオブランドなんです。


どことなく50’sの家具を感じるところが、プラスチックで覆われた近代オーディオと大きく違うところ。そのためか色んな商品のイメージ画やカタログなどの小物としても多く採用されていたり、お店のインテリアとして飾っているのをよく見かけるのも、やはりその質感によるところでしょうか。

 

 

やはりあると便利なリモコン

今回のビッグマイナーチェンジでリモコンが付属されることになりましたが、ラジオの選曲やボリューム調整、スイッチのオン/オフなど意外と重宝します。

イヤホンやヘッドホンと違い、音の発生源と距離をとって、立体感のあるサウンドとその場の空気感を楽しむことがスピーカーの持ち味ですが、その代わり操作のたびに移動するのも結構面倒だったりします。

その点イライラが募るアプリではなく、物理ボタンによるリモコンはノンストレスで、やはりあると便利だなって思います。

 

 

 

デジタルが進化してもやっぱりチボリオーディオ だった

殆どフルモデルチェンジかと思うほどガラッと中身が変わったモデルワンデジタルGen2。

特にスマホと連携するデジタル製品はマーケットの規模も大きく、確かに先行者利益ば魅力的でどのメーカーもこぞって新たなテクノロジーを投入してきますが、これまでいろんな製品を見てきていつも思うことは、新たなテクノロジーが成熟するのにどうしても少し時間がかかるということ。そのため不具合などが多発すれば返って逆効果になりかねないという一面もはらんでいます。

だからメーカーもトライアル&エラーを繰り返し製品を成熟させていくわけです。

そういった意味では、このモデルワンデジタルGen2も今回のビッグマイナーチェンジで成熟期に入ったのではないでしょうか。しかも、ドライバを変更したことで旧モデルと比べて確実に音質が向上しています。

エイジングのために数十時間ほど慣らし再生をすれば、最初少しこもったように感じた音質がスッキリと解消されシャープさがグンと増してきます。

そうすると中高音域がくっきりと聴こえ低音がしっかりとしたチボリオーディオらしいサウンドになり、そうそうこれ、この音って思わずにやけてしまいます。

デジタルによる快適性と往年のチボリサウンドに、伝統のデザインが凝縮された濃厚なオーディオ、それがモデルワンデジタルGen2。外観はビンテージ、でも中身は最新のデジタル仕様。どんなに進化してもその味はやっぱり紛れもなくチボリオーディオ でした。

 

ぶん / Noboru

 

 

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